解体アタッチメントの種類と役割|解体用ハサミ・ブレーカー・スケルトンバケットほか
解体現場の重機の先端に付くアタッチメントを工程順に解説。当社が木造解体で使う解体用ハサミ・つかみ機・ブレーカー・スケルトンバケット・バケットの使い方と、圧砕機・鉄骨カッター・マグネットの役割、音や粉じんの違い、運転資格を静岡県島田市の解体業者がまとめます。
公開日: / 更新日: / 執筆:株式会社AMT
解体現場の重機は、アームの先に付ける道具(アタッチメント)を付け替えながら作業します。同じ重機でも、付いている道具を見れば「いま何の工程か」がだいたい分かります。ここでは、解体でよく使うアタッチメントを工程の順に紹介します。
この記事の要点
- 解体の重機は、壊す・分ける・積み込む・基礎を壊す・整地するという工程ごとに先端のアタッチメントを付け替えます。
- RC造は圧砕機で割って鉄筋とコンクリートを分け、厚い基礎や土間には音と振動の大きいブレーカーを使います。
- 当社の木造解体は、解体用ハサミ、つかみ機、ブレーカー、スケルトンバケット、バケットの順に使い分けます。
- 機体重量3トン以上の解体用機械の運転には、車両系建設機械(解体用)運転技能講習の修了が必要です。
解体アタッチメントは工程ごとに付け替えるのですか?
はい、工程ごとに向いている道具が違うため、現場では同じ重機の先端を何度も付け替えます。付け替えを素早く行うクイックカプラという装置もあります。
解体は「建物を壊す → 分ける → 積み込む → 基礎を壊す → 地面を整える」と進みます。工程ごとに向いている道具が違うため、現場では同じ重機の先端を何度も付け替えます。
付け替えを素早く行うためのクイックカプラ(クイックヒッチ)という装置もあります。重機と道具の間に付ける金具で、付け替えにかかる時間を短くできます。
重機そのものの大きさや、どの重機が現場に入れるかについては解体工事で使う重機の種類で解説しています。
つかみ機(フォーク・グラップル)は何に使いますか?
木造住宅の解体で中心になる道具で、材木や屋根材をつかんで解体しながら、木材・金属・がれきなどを種類ごとに仕分けて積み込みます。
木造住宅の解体で中心になる道具です。2本〜数本の爪で材木や屋根材をつかみ、引きはがしながら少しずつ解体します。つかんだまま木材・金属・がれきなどを仕分けて、種類ごとに山を分けていきます。
- 向いている作業…木造の解体、分別、積み込み
- 特徴…先端が回転するタイプは、材料の向きをそろえて置けるため分別や積み込みがしやすくなります
- 見分け方…先端が手のように開いたり閉じたりしている
建設リサイクル法では、木材やコンクリートなどを現場で分けながら解体することが求められています。つかみ機はこの分別解体に欠かせない道具です(建設リサイクル法と分別)。
圧砕機(大割・小割)は何に使いますか?
コンクリートをはさんで割る道具で、RC造や基礎の解体に使います。大割は柱・梁・壁を大きく割り、小割(ニブラ)は細かく砕いて鉄筋とコンクリートを分けます。
コンクリートをはさんで割る道具です。鉄筋コンクリート造(RC造)の解体や、基礎の解体で使います。大きさと役割で2種類に分かれます。
- 大割圧砕機…柱・梁・壁などをはさんで大きく割ります。建物を崩していく一次解体用です
- 小割圧砕機(ニブラ)…割ったコンクリートをさらに細かく砕き、中の鉄筋とコンクリートを分けます。運びやすくなり、再資源化もしやすくなります
打撃で壊すブレーカーに比べて音と振動が小さく、住宅地のRC解体ではまず圧砕機で進めるのが一般的です(RC造の解体)。
ブレーカーはどんな作業に使いますか?
打撃でコンクリートを砕く道具で、厚い基礎や土間コンクリートなど硬いものに強いのが特徴です。大きな音と振動が出るため、作業時間などに配慮します。
先端のノミを細かく打ち付けて、打撃でコンクリートを砕く道具です。厚い基礎や土間コンクリート、岩のように硬いものに強いのが特徴です。
- 向いている作業…厚い基礎、土間、圧砕機ではさめない形のもの
- 注意点…「ガガガ」という大きな音と振動が出ます
ブレーカーを使う作業は、騒音規制法・振動規制法の「特定建設作業」に当たることがあり、その場合は事前に市町への届出が必要です。音や振動を抑えるために、圧砕機で済む部分は圧砕機を使う、作業時間を配慮するといった工夫をします(騒音・振動・粉じん対策)。
鉄骨カッター(鉄骨切断機)は何に使いますか?
鉄骨の柱・梁や鉄板、太い鉄筋を切断する道具で、鉄骨造の倉庫・工場・店舗の解体で使います。ガスで焼き切る方法に比べて火花が出にくいのが利点です。
大きなはさみのような刃で、鉄骨の柱・梁や鉄板、太い鉄筋を切断します。鉄骨造の倉庫・工場・店舗の解体で使います(鉄骨造の解体)。
ガスで焼き切る方法に比べて火花が出にくく、火災の心配を減らせます。切断した鉄骨は運びやすい長さにそろえて積み込みます。鉄骨は金属スクラップとして買い取りの対象になるため、きれいに切りそろえて分けておくことが、費用面でも意味を持ちます(解体×金属スクラップ買取)。
マグネット(リフティングマグネット)は何に使いますか?
電磁石で鉄くずを吸い付けて持ち上げる道具で、がれきに混じった鉄筋の切れ端や釘、鉄板などを効率よく回収するのに使います。
電磁石で鉄くずを吸い付けて持ち上げる道具です。がれきの中に混じった鉄筋の切れ端や釘、鉄板などを集めるのに使います。重機に発電機などの電源を組み合わせて動かします。
鉄くずを手で拾い集めるのは手間がかかりますが、マグネットを使えば効率よく回収できます。鉄だけを分けて回収できれば、処分するがれきの量が減り、鉄はスクラップとして再利用に回せます。
マグネットに付くのは鉄などの磁性のある金属だけです。銅やアルミ、ステンレスの多くは付かないため、別に分けます。
バケットとスケルトンバケットはどう違いますか?
バケットは土を掘る・すくう・ならす基本の道具です。スケルトンバケットは底や側面が格子状で、土をふるってコンクリート片や石などのがらを分けるのに使います。
バケットは、土を掘る・すくう・ならすための基本の道具です。解体の最後の整地や、基礎を撤去したあとの穴の埋め戻しに使います(整地と舗装)。
スケルトンバケットは、底や側面が格子状になったバケットです。すくった土をふるうと、細かい土は格子から落ち、コンクリート片や石などのがらだけが残ります。地中から出てきたがらを土と分けるときに使います(地中埋設物)。
解体工事ではどのアタッチメントを使っていますか?
当社では主に解体用ハサミ、つかみ機、ブレーカー、スケルトンバケット、バケットを使い分けています。どれをどの順番で使うかは現地調査で確認して決めます。
当社の解体工事では、主に次のアタッチメントを使い分けています。
- 解体用ハサミ…木造の解体と分別に使います。屋根材・外壁・柱・梁などをはさんで、建物を少しずつ取り外していきます。はさんだ材料をその場で木材・金属・その他に分けられるため、壊しながら分別を進められます
- つかみ機(フォーク・グラップル)…取り外した木材やがれきをつかんで、種類ごとの山にまとめ、トラックに積み込みます
- ブレーカー…建物を撤去したあとに残る基礎や土間コンクリート、ブロック塀の基礎など、厚く硬いコンクリートを打撃で砕きます
- スケルトンバケット…基礎を撤去したあとの土をすくってふるい、細かい土とコンクリート片・石などのがらを分けます。土の中に残ったがらを取り除くのに使います
- バケット…掘り起こした場所の埋め戻し、敷地の整地、がれきや土の積み込みに使います
どのアタッチメントをどの順番で使うかは、建物の構造・広さ・前面道路・隣家との距離などを現地調査で確認して決めます。
木造解体ではどの工程でどのアタッチメントを使いますか?
内装材を手作業で撤去したあと、解体用ハサミで本体を解体し、つかみ機で分別・積み込み、ブレーカーで基礎を砕き、スケルトンバケットでふるい分け、バケットで整地します。
木造住宅を例に、工程ごとにどのアタッチメントを使うかを順番に説明します。
- 手作業での事前撤去…重機を入れる前に、畳・建具・断熱材・石膏ボードなどの内装材や設備を手作業で取り外します。建設リサイクル法では、内装材などを先に取り除いてから建物本体を解体する順序が定められています(建設リサイクル法と分別)
- 建物本体の解体(解体用ハサミ)…屋根、外壁、2階、1階の順に、解体用ハサミで上から少しずつはさんで取り外します。いきなり倒すのではなく、材料を分けながら崩していくため、周囲への飛散も抑えやすくなります
- 分別と積み込み(つかみ機)…取り外した材料を、木くず・金属・コンクリートがら・その他に分けてまとめ、種類ごとにトラックへ積み込みます。金属は分けておき、買取の対象になるものは費用への反映をご提案します(解体×金属スクラップ買取)
- 基礎・土間の解体(ブレーカー)…地上の建物がなくなったら、基礎や土間コンクリートをブレーカーで砕いて撤去します。音と振動が出る工程なので、作業時間には配慮します(騒音・振動・粉じん対策)
- 土とがらのふるい分け(スケルトンバケット)…基礎を掘り起こしたあとの土をスケルトンバケットでふるい、コンクリート片などのがらを取り除きます。この段階で、古い基礎や浄化槽などの地中埋設物が見つかることもあります。見つかった場合はご報告し、対応をご相談します(地中埋設物)
- 埋め戻し・整地(バケット)…掘った部分を埋め戻し、バケットで地面をならして整地します。仕上げの程度は、その後の用途に合わせてご相談ください(整地と舗装)
解体用の重機を運転するには資格が必要ですか?
解体用のアタッチメントを付けた機体重量3トン以上の機械は運転技能講習の修了が必要で、3トン未満の機械は特別教育を受けた人が運転します。
ブレーカー・鉄骨切断機・コンクリート圧砕機・解体用つかみ機を付けた機体重量3トン以上の機械を運転するには、車両系建設機械(解体用)運転技能講習の修了が必要です。3トン未満の機械では特別教育を受けた人が運転します。
アタッチメントを付けると重機の重さのバランスが変わり、扱いにも注意が要ります。資格や安全への取り組みは安全対策と体制をご覧ください。
まとめ
解体の重機は、工程ごとに先端のアタッチメントを付け替えて作業します。木造は分別しながら解体し、RC造は圧砕機(大割・小割)で割って鉄筋とコンクリートを分け、厚い基礎にはブレーカーを使います。鉄骨は鉄骨カッターで切断し、鉄くずはマグネットで集めることもあります。当社の木造解体では、解体用ハサミで建物を取り外して分別し、つかみ機で積み込み、ブレーカーで基礎を砕き、スケルトンバケットで土とがらを分けて、最後にバケットで整地します。どの道具をどこで使うかは、現地調査で判断します。
