解体前の近隣家屋調査とは|「うちのひび割れは工事のせい」を防ぐ
解体工事の前に隣家の状態を記録しておく家屋事前調査について、目的・進め方・費用の考え方・依頼するかどうかの目安を静岡県島田市の解体業者が解説します。
公開日: / 更新日: / 執筆:株式会社AMT
工事が終わったあとで「壁にひびが入った」と言われても、もとからあったのか工事で起きたのかは、記録がなければ判断できません。それを避けるための備えが、着工前の家屋事前調査です。
この記事の要点
- 家屋事前調査は着工前に隣家のひび割れや傾きなどを写真と記録に残し、工事前後で比べる調査です。
- 必須ではなく、隣家が近い・振動が出やすい・隣家が古いなどの条件があるときに検討します。
- 調査には所有者の承諾が必要で、費用は一般的に工事費の一部として計上されるため見積書で範囲を確認します。
近隣家屋調査では何をする?
着工前に、隣接する建物の現況を写真と記録に残しておく調査です。おもに次の点を記録します。
- 外壁・基礎・塀のひび割れ、欠け、傾き
- タイルや目地の状態
- 建具の建て付け、床の傾き(室内まで見る場合)
- 撮影した日付
工事の前後で同じ箇所を比べることで、変化があったかどうかを客観的に確認できます。
近隣家屋調査はどんな現場で必要?
必須ではありませんが、隣家との距離が近い、振動が出やすい、隣家が古い、切り離しを伴う、規模が大きいといった現場で検討します。
すべての解体工事で必須というものではありません。次のような条件があるときに検討します。
- 隣家との距離が近い(狭小地の解体)
- 基礎やコンクリートの解体が多く、振動が出やすい(解体重機の種類)
- 隣家が古く、もともとひび割れがある
- 長屋・連棟の切り離しを伴う(切り離し解体)
- 鉄筋コンクリート造など、規模の大きい建物の解体(RC造の解体)
近隣家屋調査はどう進める?
対象を決めて所有者の承諾をいただき、着工前調査、工事、必要に応じて工事後調査で同じ箇所を比較する流れです。
- 1. 対象を決める…どの家までを調査するかを決めます。あいさつ回りの範囲と合わせて考えます(近隣あいさつの範囲)
- 2. 承諾をいただく…他人の敷地・建物を見るため、必ず所有者の了解が要ります
- 3. 着工前調査…写真・図・所見を記録します
- 4. 工事
- 5. 工事後調査…必要に応じて同じ箇所を撮影し、比較します
調査を断られることもあります。その場合は無理に行わず、あいさつの記録や工事中の写真を残すなど、別の形で経緯が分かるようにしておきます。
近隣家屋調査の費用はだれが負担する?
一般的には工事費用の一部として計上します。調査する家の数と範囲(外回りだけか、室内まで見るか)で変わります。
見積書に含まれているか、含める場合はどこまでの範囲かを確認してください(見積書の見方)。必要性の判断も含めて、現地を見たうえでご提案します。
工事で隣家が損傷したらどうなる?
施工業者が加入している保険で対応するのが一般的です。事前調査の記録があると、原因の切り分けと手続きがスムーズになります。
工事が原因で隣家に損害を与えた場合は、施工業者が加入している保険で対応するのが一般的です。保険の種類と補償の範囲は業者によって違うため、契約前に確認しておくと安心です(解体業者の保険)。
事前調査の記録があると、原因の切り分けと手続きがスムーズになります。実際に起きやすいトラブルは解体工事のトラブル事例にまとめています。
調査をしない場合はどうすればいい?
自分の敷地から隣家の外観を撮影する、あいさつの日付と対応を記録する、工事中の写真を残すなどをしておく価値があります。
費用や承諾の関係で正式な調査を行わない場合でも、次のことはしておく価値があります。
- 着工前に、自分の敷地から見える範囲で隣家の外観を撮影しておく(無断で敷地に入らない)
- あいさつ回りの日付と対応を記録しておく
- 工事中の状況を日々写真に残しておく
- 振動・騒音への対策を事前に説明しておく(騒音・振動・粉じん対策)
まとめ
家屋事前調査は、工事の前後で隣家の状態を比べられるようにしておく備えです。隣家が近い、振動の出る作業が多い、もともと傷みがある。こうした条件がそろうほど効果があります。必要かどうかは現地を見て判断しますので、ご相談ください。
