未登記建物の解体|滅失登記は不要でも家屋滅失届は必要です
登記されていない建物を解体するときの手続きを整理しました。建物滅失登記との違い、市町村への家屋滅失届、固定資産税の扱い、未登記かどうかの調べ方を静岡県島田市の解体業者が解説します。
公開日: / 更新日: / 執筆:株式会社AMT
古い納屋や増築部分など、登記されていない建物は珍しくありません。「登記がないなら手続きも要らない」と思われがちですが、固定資産税の課税台帳には載っていることがほとんどです。放っておくと、壊したあとも課税され続けます。
この記事の要点
- 未登記建物は滅失登記ができないため、かわりに市町村へ家屋滅失届(取り壊し届)を提出します。
- 届出を忘れると課税台帳から消えず、壊した建物に固定資産税がかかり続けることがあります。
- 固定資産税の課税明細書と登記事項証明書を突き合わせ、課税されているのに登記がない建物が未登記です。
登記と課税台帳は何が違う?
登記は法務局で所有権を公示する制度で、家屋課税台帳は市町村が固定資産税を課すための台帳です。登記がない建物でも、現に建物があれば固定資産税はかかっています。
まず前提として、建物の情報は2か所で管理されています。
- 登記(法務局)…所有権を公示するための制度。登記するかどうかで扱いが変わります
- 家屋課税台帳(市町村)…固定資産税を課すための台帳。登記の有無にかかわらず、現に建物があれば登録されます
つまり、登記がない建物でも固定資産税はかかっています。課税明細書に載っている建物が登記簿に見当たらない場合、その建物は未登記の可能性が高いです。
未登記かどうかはどう調べる?
固定資産税の課税明細書と、法務局で取る登記事項証明書を突き合わせ、課税されているのに登記がない建物があれば未登記です。
- 固定資産税の課税明細書を見る…課税されている家屋の一覧が載っています
- 登記事項証明書を取る…法務局で、その土地の上にある建物の登記を確認します
- 両方を突き合わせ、課税されているのに登記がない建物があれば未登記です
- 市町村の資産税担当課でも、台帳上の家屋を確認できます
母屋は登記されているのに、あとから建てた納屋や車庫だけ未登記、というパターンがよくあります(納屋・農業用倉庫の解体/カーポート・物置の撤去)。
解体後にはどんな手続きが必要?
登記されている建物は法務局へ建物滅失登記を申請し、未登記の建物は市町村へ家屋滅失届(取り壊し届)を出します。
登記の有無で、やることが変わります。
- 登記されている建物…取り壊した後、法務局へ建物滅失登記を申請します(建物滅失登記)
- 未登記の建物…登記がないので滅失登記はできません。かわりに市町村へ家屋滅失届(取り壊し届)を出します
届出の名称・様式・提出先は市町村によって異なります。島田市など、物件のある市町の資産税担当課にご確認ください。
解体業者が発行する「取壊し証明書」の提出を求められることがあります(取り壊し証明書とは)。当社でも工事完了後に発行できますので、お申し付けください。
| 項目 | 登記されている建物 | 未登記の建物 |
|---|---|---|
| 解体後の手続き | 法務局へ建物滅失登記を申請します | 登記がないため滅失登記はできません。かわりに市町村へ家屋滅失届(取り壊し届)を出します |
| 提出先 | 法務局 | 市町村(資産税担当課) |
| 名称・様式 | 建物滅失登記 | 届出の名称・様式・提出先は市町村によって異なります |
| 業者の証明書 | 解体業者が発行する取壊し証明書の提出を求められることがあります | 同じく求められることがあります |
家屋滅失届を出さないとどうなる?
台帳から家屋が消えないため、存在しない建物に固定資産税がかかり続けることがあります。翌年度の課税に反映させるには、その年の1月1日より前の状況が台帳に正しく反映されている必要があります。
年内に解体したのに届出を忘れて翌年も課税された、というのはよくある話です。解体が終わったら早めに手続きしてください。
なお、更地にすると土地の住宅用地特例が外れて土地の税額は上がります。建物の税が消える一方で土地の税が上がるので、全体としてどうなるかは空き家の固定資産税で整理しています。
未登記だと困ることはある?
解体そのものは未登記でもできますが、売却・相続・抵当権の設定の場面では登記がないことが障害になります。解体して更地にするなら問題になりません。
解体そのものは未登記でもできますが、次の場面では登記がないことが障害になります。
- 売却するとき…買主が住宅ローンを使う場合など、登記の整理を求められることがあります(古家付きか更地か)
- 相続するとき…遺産分割の対象として整理が必要になります(相続した実家の進め方)
- 抵当権を設定するとき…登記がないと担保に入れられません
解体して更地にするなら、これらは問題になりません。残して使い続ける場合は、表題登記を検討することになります。手続きは土地家屋調査士の領分です。
解体を頼むときは何を伝えればいい?
敷地内の建物の数と大きさ、課税明細書に載っている家屋、登記の有無、母屋以外も含めるかを見積りの段階で教えてください。登記の有無は分からなくても構いません。
見積りの段階で、次を教えてください。未登記かどうかで手続きの案内が変わります。
- 敷地内にある建物の数と、それぞれのおおよその大きさ
- 固定資産税の課税明細書に載っている家屋(あれば写しを見せてください)
- 登記されているか分かるか(分からなくても構いません)
- 母屋だけ壊すのか、納屋なども含めるのか
必要な情報は見積り前に準備するものにまとめています。分からない部分は現地調査でいっしょに確認します。
まとめ
未登記の建物は、登記がないので滅失登記はできません。かわりに市町村へ家屋滅失届を出します。これを忘れると、壊した建物に固定資産税がかかり続けることがあります。課税明細書と登記事項証明書を突き合わせれば、未登記かどうかは確認できます。解体のご依頼時にお知らせいただければ、取壊し証明書の発行を含めてご案内します。
出典・参考(公的機関)
