借地に建てた家の解体|更地に戻す義務と建物買取請求権
借地上の建物を解体するときの地主との関係を整理しました。契約終了時の建物収去・土地明渡義務、建物買取請求権、建て替えや譲渡に必要な承諾について静岡県島田市の解体業者が解説します。
公開日: / 更新日: / 執筆:株式会社AMT
土地を借りて家を建てている場合、その家をどうするかは地主との契約に左右されます。「契約が終わったら更地にして返す」と決まっていることが多い一方で、建物を買い取ってもらえる制度もあります。壊す前に契約書を確認してください。
この記事の要点
- 解体を考えたら、まず借地契約書で契約の種類と期間、契約終了時の取り決め、建て替え時の地主の承諾の要否を確認しましょう。
- 借地契約の終了時は建物を取り壊して土地を明け渡すのが原則で、解体費用は借地人の負担になるのが通常です。
- 期間満了で更新されない場合、建物買取請求権で地主に時価での買取を請求できることがあり、適用の可否は専門家に確認します。
- 建て替えのための解体は多くの契約で地主の承諾が必要なため、工事の日程を組む前に承諾を得ておきましょう。
借地の家を解体する前にまず何を確認する?
まず借地契約書を確認します。契約の種類と期間、契約終了時に更地で返す取り決めがあるか、建て替えに地主の承諾が要るかなどを見てください。
解体を考え始めたら、最初に見るのは契約書です。次の点を確認してください。
- 契約の種類と期間…普通借地か定期借地か、いつまでか
- 契約終了時の取り決め…建物を取り壊して更地で返す約束になっていないか
- 建て替え・増改築に地主の承諾が要るか
- 借地権を譲渡・転貸するときの条件
- 承諾料に関する定め
契約書が見当たらない、内容が古くて読み取れないという場合は、地主に確認するか、弁護士・司法書士にご相談ください。
借地契約が終わるときは解体が必要?
借地人には建物を取り壊して土地を明け渡す義務(建物収去・土地明渡義務)があるのが原則で、解体費用は借地人の負担になるのが通常です。
借地契約が終了するとき、借地人には建物を取り壊して土地を明け渡す義務があるのが原則です。これを建物収去・土地明渡義務といいます。
つまり、契約終了に伴う解体では費用は借地人の負担になるのが通常です。ただし、当事者の合意で別の扱いにすることもできます。
建物買取請求権とはどんな制度?
契約期間が満了し更新されない場合に、借地人が地主に建物を時価で買い取るよう請求できる借地借家法の制度です。使えるかどうかは専門家にご相談ください。
一方で、借地借家法には建物買取請求権という制度があります。契約期間が満了し、更新がされない場合に、借地人が地主に対して建物を時価で買い取るよう請求できるというものです。
これが使えるなら、壊さずに引き渡すという選択肢が出てきます。ただし適用されるかどうかは、契約の種類(定期借地では扱いが異なります)、終了の理由、建物の状態などによって変わります。
使えるかどうかの判断は専門家にご相談ください。当社は解体工事の会社であり、借地権の法律判断はできません。解体すべきかどうかを決める前に確認しておく価値のある制度です。
借地で建て替えのために解体するには何が必要?
多くの契約では地主の承諾が必要で、承諾料を求められることもあります。承諾を得ずに建て替えると、契約解除を主張されるおそれがあります。
契約を続けたまま古い家を壊して新しく建てる場合、多くの契約では地主の承諾が必要です。承諾料の支払いを求められることもあります。
承諾を得ないまま建て替えると、契約違反として解除を主張されるおそれがあります。工事の日程を組む前に、承諾の取得を済ませてください(建て替えの解体)。
住宅ローンを使う場合は、金融機関側の条件も関わります。抵当権の扱いは抵当権が残っている建物の解体をご覧ください。
借地の解体範囲はどう決めればいい?
建物本体のほか塀や庭木、基礎の撤去範囲、整地の仕上げ、引き渡し時期などを地主とすり合わせ、見積書の段階で書面にしておくのが確実です。
「更地で返す」と言っても、どこまでを指すかは曖昧になりがちです。あとで揉めないよう、地主と範囲をすり合わせておいてください。
- 建物本体のほか、塀・カーポート・物置・庭木・庭石をどうするか(付帯工事/庭木・庭石の撤去)
- 基礎をどこまで撤去するか、地中に残るものの扱い(地中埋設物)
- 整地の仕上げ…土をならすだけか、砕石を敷くか(整地と舗装)
- 引き渡しの時期と、立ち会って確認するかどうか(更地渡しと解体)
見積書の段階で範囲を書面にしておくのが確実です(見積書の見方)。
借地の家を解体した後の手続きは?
登記されている建物なら建物滅失登記、登記されていない建物なら市町村への家屋滅失届が必要です。
建物が登記されていれば、解体後に建物滅失登記が必要です(建物滅失登記)。登記されていない建物なら市町村へ家屋滅失届を出します(未登記建物の解体)。
借地の場合、土地の固定資産税は地主が負担しているのが通常で、借地人には建物分の課税がされています。建物が無くなればその課税は終わります。詳しい扱いは市町村にご確認ください。
まとめ
借地上の建物は、契約書の確認から始めてください。契約終了時は更地に戻して返すのが原則ですが、建物買取請求権が使える場合もあります。建て替えのための解体には地主の承諾が要ることがほとんどです。撤去の範囲と整地の仕上げは、着工前に地主とすり合わせて書面に残しておきましょう。現地調査とお見積りは無料です。
