解体工事の養生シート・足場|粉じんと騒音を抑える仮設の役割
解体工事で建物を囲う足場と養生シート(防音シート・メッシュシート)の役割、設置と撤去のタイミング、強風時の対応、隣家が近いときの注意点を静岡県島田市の解体業者が解説します。
公開日: / 更新日: / 執筆:株式会社AMT
解体現場が白や灰色のシートで囲われているのを見たことがあると思います。あれは目隠しではなく、粉じんの飛散と騒音を抑え、作業の安全を確保するための仮設設備です。何をどこまで防げるのか、施主として知っておきたい点をまとめました。
この記事の要点
- 足場と養生シートは、粉じん・破片の飛散防止、騒音の軽減、作業の安全確保のための仮設設備です。
- メッシュシートは風を通し飛散防止が主目的で、防音シートは音と粉じんを遮る一方で風を受けやすくなります。
- 足場・養生の費用は建物の高さと外周の長さでおおよそ決まるため、見積書では何㎡ぶんの計上かを確認すると比べやすくなります。
足場と養生シートにはどんな役割がありますか?
粉じん・破片の飛散防止、騒音の軽減、高い位置での作業の安全確保の3つが主な目的です。あわせて散水も行います。
解体工事では、建物の周囲に足場を組み、その外側をシートで覆うのが基本です。目的は大きく3つあります。
- 粉じん・破片の飛散防止…解体中のほこりや小さな破片が敷地の外へ出るのを抑えます
- 騒音の軽減…防音タイプのシートを使うと、作業音の一部をやわらげられます
- 作業の安全確保…高い位置での手作業や、屋根・外壁の撤去には足場が必要です
あわせて散水も行います。粉じん対策は「囲う」「濡らす」の組み合わせが基本です(騒音・振動・粉じんへの対策)。
メッシュシートと防音シートはどう違いますか?
メッシュシートは網目状で風を通し、飛散防止が主目的です。防音シートは厚く重い素材で音や粉じんを遮りますが、そのぶん風を受けやすくなります。
現場で使われるシートにはいくつか種類があり、目的によって使い分けます。
- メッシュシート…網目状で風を通します。軽く、飛散防止が主目的。風の影響を受けにくいのが利点です
- 防音シート(遮音シート)…厚みと重さのある素材で音を遮ります。粉じんも通しません。そのぶん風を受けやすくなります
- 防炎処理されたシート…火気を扱う作業がある場合に使います
防音シートで騒音がゼロになるわけではありません。重機の振動や、コンクリートを砕くときの低い音はシートだけでは抑えきれません。作業時間への配慮や事前のあいさつとあわせて対応します(近隣あいさつの範囲)。
| 種類 | 特徴 | 主な目的 |
|---|---|---|
| メッシュシート | 網目状で風を通します。軽く、風の影響を受けにくいのが利点です | 飛散防止 |
| 防音シート(遮音シート) | 厚みと重さのある素材です。粉じんも通しませんが、そのぶん風を受けやすくなります | 音と粉じんを遮る |
| 防炎処理されたシート | 防炎処理がされたシートです | 火気を扱う作業がある場合 |
防音シートを張っても騒音がゼロになるわけではありません。重機の振動や低い音はシートだけでは抑えきれません。
足場と養生シートはいつ設置・撤去しますか?
着工後1〜2日目に足場の組立てと養生シートの設置を行い、建物の解体が終わったら撤去します。基礎の撤去や整地の段階では外れていることが多いです。
おおまかな流れは次のとおりです。
- 着工前…近隣あいさつ、ライフラインの停止(ライフライン停止手続き)
- 1〜2日目…足場の組立てと養生シートの設置
- 解体作業…内装材の手壊し撤去 → 建物本体の解体 → 分別・搬出
- 建物の解体が終わったら…足場・シートを撤去
- 最後に整地して完了確認(整地と舗装/完了確認とアフター)
足場は建物が立っている間だけ必要なので、基礎の撤去や整地の段階では外れていることが多いです。工期の目安は解体工事の工期をご覧ください。
強風や台風のとき、養生シートはどうしますか?
シートをたたむ、一部を開放する、足場の控えを増やすなどの対応をとります。張ったまま放置すると足場ごと倒れる危険があるためです。
シートは風を大きく受けます。台風や強風が予想されるときは、シートをたたむ、一部を開放する、足場の控えを増やすなどの対応をとります。シートを張ったまま放置すると、足場ごと倒れる危険があるためです。
工事期間中に荒天が見込まれる場合は、あらかじめ対応をご説明します。天候による日程の考え方は季節・天候の影響にまとめています。
隣家との距離が近いときはどう進めますか?
隣地所有者に足場用の一時使用をお願いしたり、境界側に養生を追加したり、重機が入らない部分を手作業で解体したりして進めます。
市街地や長屋・連棟では、隣の建物との距離がほとんどないこともあります。その場合は次のような進め方になります。
- 足場を建てる幅が取れないときは、隣地所有者に一時的な使用をお願いすることがあります
- 隣家の外壁を傷めないよう、境界側に養生を追加します
- 重機が入らない部分は手作業での解体になります(狭小地の解体)
- 連棟を切り離す場合は、切断面の処理も含めて計画します(長屋・連棟の切り離し)
境界があいまいな場合は、着工前に確認しておくとトラブルを避けられます(境界と越境の確認)。
足場と養生シートの費用はどう決まりますか?
仮設足場と養生シートの費用は、建物の高さと外周の長さ(掛ける面積)でおおよそ決まります。2階建てより平屋のほうが少なく、外周が長い建物ほど増えます。
見積書では「仮設工事」「養生費」などの名目で計上されるのが一般的です。金額の妥当性が気になるときは、何㎡ぶんの計上かを確認すると比べやすくなります(見積書の見方/相見積りの取り方)。
まとめ
足場と養生シートは、粉じんの飛散防止・騒音の軽減・作業の安全確保のための設備です。シートの種類によって効果と風への強さが違い、強風時にはたたむなどの対応が必要になります。隣家が近い現場では手作業の割合が増えるため、現地を見たうえでの計画が欠かせません。おおよその費用は費用シミュレーションでもご確認いただけます。
